ベッドのマットレスには厚さ硬さ色々ありますが、寝具店の視点では体圧分散効果はありますが保温性については物足りなさを感じます。
ベッドのマットレスには敷布団は必要か?寝具として重要なのは敷き布団であり、敷布団を補完する役割のものがマットレスでありベッドにおいても同様のことが言えます。
日本の冬には掛け布団が上質でも、空調をしない限りベッドのマットレスだけでは寒いはずです。空調メーカーの統計では睡眠中に空調をしている家庭は僅かしかありません。
寝具店の視点でマットレスを見ると、その本来の役割は体圧分散にあります。床板の上に仰向けに寝た際に、床の硬さを感じる部分の体圧を和らげる役割と認識しています。
マットレスは保温力が全く無いわけではありませんが快適な睡眠を得るには不十分です。
ベッドメーカーのカタログ説明において、スプリングコイル等の違いによるマットの硬さのタイプ別の説明はありますが保温力ランクの説明は見かけません。
この事実は、ベッドのマットレスが体圧分散・クッション性を主たる目的とするものであることを証明しています。
マットレスのメインの役割は体圧分散であり、敷き布団の役割のウェイトのメインは保温力です。敷き布団を補完する役割である以上、マットレスの保温力だけでは寒いのは当たり前です。
ただし、ウレタンフォームを使用したタイプのものは熱伝導率も低く、低反発タイプの場合は体に密着するため十分な保温力があります。夏には過ぎたるは猶及ばざるが如しであり、暑くて眠れないこともしばしばです。
『ベッド購入時にマットレスの上にベッドパッド掛けるだけで十分暖かい』とショップの方から説明を受けたが寒くて眠れない!!何か良い寝具はありませんか?とのお問合せを頂きます。
どのような製品をお使いかを聞くと、寒くて眠れない原因は保温力不足と思えるケースが多くあります。
敷き布団の保温力を補完するマットレスと薄いベッドパットだけでは体の熱を蓄える事はできません。適温で温かく寝るためには敷き布団が必要です。
寝室の床の状態と敷き布団の構造によっては、マットレスなしに体圧分散と十分な保温力がある敷き布団もあります。敷き布団の保温力はそれほど大きいと言えます。
敷き布団1枚ではヘタリがくるため、体圧分散機能をマットレスに委ね保温効果を敷き布団に割り振るケースが一般的です。
ベッドのマットレスの体圧分散と敷き布団の保温力が組み合わされ、さらにパッドでの補完がなされば快適な温度でお休み頂けます。
マットレスの上なので敷き布団の中綿の充填量は少なくても十分なケースが多くあります。通常の充填量の6割程度で大丈夫です。シングルサイズの羊毛綿なら充填量2kgで充分です。新品時の厚みは5cmまでのもので十分です。
ベッドのマットレスの上に敷き布団を敷いて使用する場合は、寝姿勢の観点から敷き布団を敷いた状態でクッション性を調べて下さい。沈みすぎると熟睡できません。
ベッドで使用する敷布団は、1枚で保温力と体圧分散ができるような厚いタイプのものは使用しないでください。敷布団を組み合わせた状態で寝てみて、頭、肩甲骨、臀部、かかとの体圧と沈み具合をかくにんしてください。
ベッドのマットレスのメインの役割は体圧分散機能であり、保温力はあまり期待できません。
厚さ1cm~2cm程度のベッドパッドを掛けた程度では十分な保温力は確保できません。
マットレスとパッドは敷き布団を補完するものであり、敷き布団が主たる役割は保温力にあります。
ベッドのマットレスには、保温力のある敷き布団を掛けさらに補助的なパッドを組み合わせて十分な保温力を確保してお休み下さい。
ベッドのマットレスと敷布団・パッドを併用する場合は、体圧分散の観点から少し硬めのコイルを使用したマットレスと、薄手の敷布団を組み合わせることで体圧分散と保温の両方を実現できます。
ウレタンフォームを使用したマットレスは、体との隙間を作り断熱効果を得る意味から敷布団もしくは厚いしきパッドの併用をお勧めします。